現在2人に1人はがんになる時代に突入していますよね。実際に在宅で療養されているがん患者の方も増えているのが現状です。今回は末期がんの方と訪問看護についてお話しします。
「最期は住み慣れた家で大好きな家族と過ごしたい」「がんでも好きなものを食べてタバコを吸ってお酒を飲んで残りの時間を過ごしたい」という方って結構いると思います。
病院では、どうしても施設ルールが厳しくて、嗜好品はNGのことも多く、かつ禁止事項も多いので、どうしても個人の希望を叶えられないことが多いと思います。そして、最期はたくさんの管に繋がれたまま亡くなる方もいて、医療職として葛藤を感じることって少なくないと思います。
でも、末期がんの方を自宅で看るって結構ハードルが高いのでは?と思う方もいるんではないでしょうか。
私自身、病棟時代はそう感じることも多かったです。
でも意外と在宅で末期がんの方の看取りが多いのも事実です。Q&A形式でよくいただく疑問にお答えしたいと思います。
Q.そもそも末期がんの方って自宅で過ごすことができるの?
A.できます。病院と全く同じように、1日何回も看護師が様子観察をして、場合によってはモニター観察したり…ということはできません。ただし、主治医から訪問看護指示書が発行されれば、毎日看護師が訪問することができます。また、介護度によっては、ヘルパーさん、訪問入浴さん、福祉用具さんにも来て頂いて、自宅で生活する環境を整えることができるんです。
Q.訪問看護でがん患者の方はどんなケアするの?
A.これはどの疾患でも共通ですが、まずは全身状態の把握、自分達がいない時間をどんなふうに過ごしていたか、を聞きます。独居の方なら本人に聞きますが、ご家族がいれば本人だけでなく、家族、もしくは友人にお話を伺います。
自分達が訪問していない時間にどんなことが起きて、どんなことに困ったのか、を確認し、必要な処置やケア、指導をしていきます。訪問看護では医療職が常に自宅にいるわけではないので、いない時間を考えたケアをしていきます。
上記は全ご活用者様に共通していますが、末期がんのご活用者様の場合、日々症状が進行するため、昨日まで必要ないと思っていたケアが今日は必要になっている、と日々変化します。そのため、短いスパンでご活用者様がどう変化するのかを見立てて、先を見越したケアや処置を実施していきます。もちろん変化に個人差はあるため、なかなか1人で考えて実施することは難しいので、仲間や他職種の眼も借りていく必要があります。
そしてこの見立ては他のサービス(ヘルパーさん、福祉用具さん、訪問入浴さん等)のサービス内容にも関わってくるため、他職種との連携も求められます。
Q.実際にがん患者さんって家で何してるの?
A.病院とは違って在宅はルールが断然少ないので、「本人の好きなように過ごしてもらう」が1番シンプルでわかりやすい説明かと思います。お酒を飲んでもよし、タバコを吸ってもよし、好きなものをいつ食べてもよし、です。もちろん、同居家族がいれば、家族との相談も必要ですが、在宅で実際にがん患者の方へ訪問すると「家は自由だからいい」「自分の好きなことができて嬉しい。生きてる感じがする」とお話し頂くことも多いです。
がん患者さんの場合は、全身状態の悪化を防ぐためにタバコやお酒の制限をされていることが多いと思います。自分の人生、最期は好きなように過ごしたい、と思うのは当然で、それを応援する立場になれるのも訪問看護師のメリットかなと思います。
まだまだお伝えしたいことが多くて、ここに書ききれないこともまだまだありますが、自分の家で生活するご活用者様のサポートができるって、とても誇りのあることで、自分自身の学びにもなることが多いです。
ご興味ある方は、ぜひ、LE在宅・施設 訪問看護リハビリステーションへいらしてください!
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